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AIで宿題はできるようになった。でも、なぜ試験の点数は下がったのか?

こんにちは。今回は、最近目にしてとても考えさせられた研究をご紹介します。中国の中高生 26,811人 を 30か月間 追跡し、生成AIの使用が学習にどう影響したかを調べた研究です。(出典:Strömberg, Lei, Wu(2026)"The Generative AI Learning Penalty: Evidence from Chinese Secondary Education")

Part 1 宿題の点数は上がるのに、試験の点数は下がる

AIを使い始めた生徒は、使っていない生徒と比べて次のようになりました。

  • 宿題の得点:+18%(1回あたりの所要時間は 約64分 → 約45分 に短縮)

  • 月例の筆記試験:−20%(6か月ほどで低下)

  • 高校入試(中考):−24%

  • 大学入試(高考):−18%

入試の点数の低下は、AIを使い始めて 約2年後 に最も大きくなっていました。
すぐには表に出てこず、時間をかけてじわじわと差が広がっていく。ここが一番こわいところだと感じました。科目別では社会科の影響が最も大きく、理系科目、語学と続きます。また、中学生や成績上位の生徒ほど影響が大きかったという結果も出ています。

Part 2 問題は「AIを使うこと」ではなく「考える過程を手放すこと」

この研究で私が一番注目したのは、次の点です。点数が大きく下がったのは、AI利用者の 約8割 にあたる生徒でした。極端に短い時間で、高い点数の宿題を提出していた生徒たちです。つまり、宿題を実質的にAIに「丸投げ」していたと考えられます。

一方で、AIを使っていても、使わない生徒と同じくらい時間をかけて宿題に取り組んでいた生徒は、試験の点数がほとんど下がっていませんでした。AIそのものが悪いのではありません。自分で悩み、考え、手を動かす時間を手放したときに、学力が落ちるのです。宿題が「きれいに仕上がる」ことと、力が「つく」ことは別物です。
この研究は、そのことを数字ではっきり示してくれました。

Part 3 私が大切にしていること:「間違える勇気」と「試行錯誤」

私は日々の授業で、生徒たちに 「間違えていいんだよ」 と繰り返し伝えています。正しい答えにたどり着くまでの
「ここはどうだろう」
「あれ、違った」
「じゃあこうしてみよう」
という試行錯誤の中にこそ、本当の学びがあると考えているからです。英作文の添削でも、1回目から完璧な文章は求めていません。自分の言葉で書いてみて、間違いに気づき、書き直す。その過程で身についた表現は、試験本番でもきちんと使えます。AIに聞けば、きれいな答えがすぐに手に入ります。でもそれは、間違える機会と試行錯誤する経験を一緒に手放してしまうことでもあります。AIはこれからの時代に欠かせない道具です。使わせないのではなく、使い方を一緒に考えていきたいと思っています。ご家庭でも、次のような声かけをしていただけると嬉しいです。

  • まずは自分の力で考えてからAIを使う

  • 答えをもらうのではなく、ヒントや考え方を聞く

  • 間違えたことを責めず、挑戦したことを認めてあげる

エピスではこれからも、生徒が安心して間違えられ、試行錯誤を楽しめる教室を目指していきます。

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