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英語コラム

英語を学ぶことと、世界を知ることは、やっぱりつながっている

「あれ、この英文、読んだことある……かも。」

高校入試の過去問を見ていると、ときどき思わぬ発見があります。
2026年度のとある早慶附属校英語長文を読んでいたときのこと。

Instagramに朝食の写真を投稿し、「TrueBeauty」というフィルターを使う女の子・・・。
読み始めてすぐ、何かが引っかかりました。

「あれ、この英文、読んだことある……かも。」
最初はぼんやりとした記憶でしたが、冒頭を読み進めるうちに、それがだんだん確信に変わっていきます。そこから記憶をたどり、過去問を探すこと約30分。

・・・やっぱり、ありました。

2024年度のMARCH附属校の入試問題。主人公の名前などは変更されていましたが、使われていたのは同じ文章でした。出典は、British Councilの英語学習サイト「LearnEnglish」に掲載されているNicola Prentisの “True Beauty”
SNSで自分を「よく見せること」を入り口に、本当の美しさとは何かを考えさせるストーリーです。British Council「True Beauty」

別の学校が、別の年度に、同じ英文に目をつける!!
これはなかなか面白い発見でした。

なぜ、この英文だったのだろう?
もちろん、両校がこの文章を選んだ理由は公表されていません。ですから、理由を断定することはできません。
ただ、“True Beauty”が扱っているテーマを考えると、少し考えさせられます。

Instagram、フォロワー、写真の加工。
私って、人からどう見られているんだろう。こう見られたいのに・・・。
そして・・・「本当の美しさって?いったい?」という永遠の問い。

どれも中学生にとって身近なものです。特に女子には大事なポイントです。
けれど、身近だからこそ、その先には「自分をどう見せるのか」「他人の評価とどう向き合うのか」といった、人や社会について考えるテーマが広がっています。

入試問題に選ばれる英文には、何か共通するものがあるのではないか。
今回の思いがけない「再会」は、そんなことを考えるきっかけになりました。

入試問題は「学校からのメッセージ」

過去問演習というと、
「何点取れたか」
「どの問題を間違えたか」
「どんな文法が出たか」

どうしても、そこに目が向きます。もちろん、それも大切です。

でも英語の過去問では、もう一つ見てほしい側面があります。

「その学校は、どんなテーマの英文を受験生に読ませたのか。」
SNS、AI、環境問題、科学、教育、文化、人間関係――。
入試長文には、私たちが生きている社会や、これからの社会について考えさせる題材がたくさん登場します。

そう考えると、入試問題は単なる「英語力を測るための問題」ではなく、学校から受験生への一つのメッセージとして読むこともできるのかもしれません。
そして難度の高い英文になればなるほど、単語や文法の知識だけではなく、「ああ、これはあの話だ」とテーマを早い段階でつかめることが、読解の大きな助けになります。

英語の「アンテナ」を、少しだけ広げてみる

だから私は、生徒たちに英語の勉強を「問題集の中だけ」で終わらせてほしくありません。
ニュースになったことを、英語の記事でもちょっとのぞいてみる。たとえば、ワールドカップ。サッカー好きとして試合を楽しんだ・・・だけじゃなくて、そこからもう一歩だけアンテナを伸ばしてみる。「海外では、この大会をどう報じていたんだろう?」とかね?
あるいは、ニュースで「ホルムズ海峡」の話題を耳にしたら、「世界は今、どうなっているんだろう?」って、海外サイトを覗いてみる。
全部読めなくてもいい。
知っている単語を拾うだけでもいい。見出しだけでもいい。
そうやって少しずつ、

「この単語、見たことがある」
「このテーマ、前に読んだことがある」
「なるほど、あのニュースの話か」
が増えていく。

この小さな積み重ねが、長い英文に出会ったとき、思っている以上に大きな力になるはずです。高校入試が終われば、その先には、さらに長く、扱う内容も高度になる大学入試の英文が待っています。だからこそ、小学生、中学生のうちから少しずつ、英語で世界をのぞく習慣をつけてほしい。

過去問を読んでいて偶然見つけた、“True Beauty”との思いがけない再会。30分かけて昔の過去問を探し出し、「やっぱり!」となっただけの出来事なのですが(笑)、そこから改めて思いました。

英語を学ぶことと、世界を知ることは、やっぱりつながっている。

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